過去にさかのぼって、しゅうの育児記録を、書いています(現在の姿ではありません)。
発達障害を持つ子がどんなふうに成長していくのか、何に困っているのか、知って頂けると有難いです。
今回は、初めての診察、診断前後のお話を書きたいと思います。
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区の担当課に連絡をして、子供の様子を話し、一度どこかで受診したいと相談すると、
4ヶ月後だったが、療育センターの診察を入れてもらえた。
しゅうの行動で困っていること、気になることをいくつか話すと、担当職員の方はすぐにピンときた様子で、色々と手配をしてくれた。
診察を待っている間は、プレ幼稚園に通いながら、療育センターで、保健師と心理士による様子の聞き取りがあった。
しゅうの様子を見てくれて、相談もできたので、とても心強かった。
療育センターの保健師による「難しい子の子育て教室」(全4回。集団療育っぽい感じ)にも参加できた。
診察を待っている間、本当に大変な時期だったから、本当に有難かった。
発達障害の専門家って「打てば響く」というふうに、問題行動の原因・対応策などよくわかっているんだな、と思った。
でも、まだまだ時間が足りなくて、悩んでいることをとても全部は相談しきれない。
そんな感じで診察までの時間が過ぎていった。
そして、3歳になる少し前。
療育センターで初めての診察を受ける。
6月の梅雨の時期なのに快晴で、
車から降りるとなんだかクラクラした。
療育センターの診療科が入っている場所に、初めて来た。
小児科や児童精神科、整形外科、眼科、耳鼻科…意外に色んな診療科があって、壁に掲示されている医師の数の多さに驚いた。
待合室で待っている子供は、しゅうより大きい子が多く、
一見して障害があるとわかる子は、少なかった。
「これでハッキリする。
でも、色々検査があるみたいだから、
わかるのは今日じゃないだろう。」
そう思っていた。
待合室でだいぶ待って、診察室に入る。
中には、かなり年配の医師が座っていた。
療育センター長だというその人は、優しいが、何だか軽い感じで、私に質問をする。
生育歴や困っていることは、職員の方に話していたので、それが伝わっているようだった。
「何らかの障害がある場合には、ハッキリとお聞きになりたいですか?」
という質問もあった。
私は、
「はい。ハッキリ教えて下さい。」
と答えた。
しゅうに少し話しかけた後、医師は簡単なテストをした。
椅子と帽子とボールの絵を見せて、「かぶるのはどれ?」と聞く。
しゅうは、世間話のようなやり取りには、答えないこともあったが、このテストには、不思議とほぼ全問正解した。
「わかっていないようで、結構わかっていますね…。」
医師がつぶやくように 言った。
恥ずかしい話だが、私も、しゅうがこんなに色々なことを知っていて、答えられるなんて、知らなかった。
しゅうとのやりとりも、テストも、 あっという間に終わった。
この後、私は不意に、医師から信じられない言葉を聞くことになる。

後編へ続きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。